『世界から猫が消えたなら』を読みました。
待ち合わせ時間より早めに着いたので、本屋さんに立ち寄り、本の帯に映し出された佐藤健くんの顔を見て決めました。読むと。
とても読みやすく淡々と進むなかで、でも内容はとても深いものがありました。作者の表現力が凄い。頭から離れませんよ、フーカフーカ。命の証。
わたしが同じ立場なら、どうしただろう。。。悩まず即答かな。消せるものはない。自分の中だけで不要かそうでないかを決められるものじゃないでしょう、そこには数多の人間が関わっているわけですし。
だけど困惑してる間に、どんどん勝手に消されてる可能性は、あるかも。。。消されたからって世の中が急激に何か変わるワケでもないことに気づき、初めは成るようになるさ~的な感覚でいるけれども、罪悪感に苛まれ今すぐ自分を消してくれって懇願するかな。
んー、想像力の貧困さに泣けてきますね。ユーモアのかけらも、感動的な何かも無い。ただ一人の有耶無耶な日々が綴られるだけです。
わたしは、何かを失って喪失感に苛まれた経験がありません。ふと思い出しました。最近、弟が言った言葉です。
「俺は、誰がいなくなっても、悲しいよ」
わたしには、その感情が薄いんですね。いや、人並みにはあるとは思います。だけれど、手を伸ばしても心から欲しても…もう二度と手に触れることのできない命の存在を知る… それを体験した人とそうでない人の差は、大きいなぁと。
だからこそ、わたしは自分が生かしてもらっていることに人一倍、感謝しないといけないんです。きっと。
纏まらないですが、なんかとてもココロにジーンと響く、いい小説と出会えました。たまには読書も良いものですね。