Amazon Prime鑑賞『るろうに剣心』

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この夏、最終章が公開されるだろうというネットでの情報をみるにつけ、無性に健—剣心様が拝みたくなって、Amazonでレンタルしました。

原作を知らないわたしが「完成度高いよね」とか言うのは筋違いとわかっていながらも、それでもそのセリフが口をついて出てくるほど、映像のクォリティの高さに改めて感心しました。

特に、多勢に対しての流れるような太刀筋、身体の動きと、強敵と一対一での死闘の凄まじさ、この対比が印象的で引き込まれました。

とはいえ、実は…正直、スピードについていけず剣筋が全く見えなくて、どこをどうしたら腕がヤラレたのかなどが解らないまま、気が付くと相手が蹲っていたり、吹き飛ばされたりする姿を見て初めて「か、勝ったの?」と知るという、まさしく息をのむアクションシーンの連続に、わたし自身、叩きのめされております。

『伝説の最期』編での、志々雄が振り下ろす剣先から炎が噴き出すシーンですら、心の奥から沸き立つ憎悪がそうさせているんだろうなぁ、などと、まったく違和感がなかったくらいなので、るろうにファンの方からすると、浅はかな鑑賞ログかも知れませんw

そんなとっても軽薄な鑑賞ログ、もうしばらくお付き合いください;; ちなみに、内容はほぼ剣心一色でお送りします。

ストーリーはフィクションですが、要所要所で史実に関連する部分も出て来ていて、日本史をまったく勉強してこなかった(日本史だけじゃないけど)わたしは、幕末から明治までの動乱の中、侍や士族たちがどれほどの苦境を強いられていたのか…とても感慨深いものがありました。

剣の道を究めることで自分の人生の価値を見出してきた者、それまで幕府に守られてきたすべてを一瞬にして失うことになった一族など、突き詰めて調べればそれはそれは悲惨な事実が明白になってくるでしょう。
(まぁ、それはこの時代に限らない話かもしれませんが)

そして、主人公・剣心といえば、最初のうちは単にダークヒーロー的な存在と解釈していたのですが、改めて映画を観なおして、それは誤りであったと気づいた瞬間に、彼というキャラクターを世に放った作者にとても感銘を受けたのです。

というのも、彼の場合は出生こそとても悲しい過去を背負っていますが、動乱の世に“巻き込まれた”わけでなく、自ら関わっていって(師匠さんとケンカ別れしてまで…これはネットで得た後情報)、挙句、『人斬り』の所業も自らで選択している。

それゆえに、彼の一振りでどれほどの人が傷つき、その人生を狂わされていったか、想像を絶するいくつもの悲運が複雑に絡み合っていて、『不殺(ころさず)の誓い』がどれほど重みのある誓いなのかが深く胸に突き刺さります。

とくに、斬首刑に処される前に罪状を読み上げられているときの、剣心(健さま)の表情が何とも言えず。どんな思いで聴いていたんだろう。

数多の命を殺めた罪は、首を斬られたからといってけして消えるわけでもなく。

本来はとても穏やかな性格ながら、(剣心が)どうして冷酷非道な人斬りになったのか、その気になる過去がこの夏の映画で語られるかもしれないということで、今からでもとても期待しています。

とくに、お役人を斬ったシーンと、その妻となるはずだった女性の嘆き悲しむ姿を遠くから見ているシーンが幾度か流れていたので、それに関わる話が出てくるのでしょうか。

それにしても…

志々雄真実、ものごっつい存在感+強さでしたね。全身がエネルギーの塊みたいな、一手一手が弾丸のごとく剣心たちを襲い、“15分”て制限なかったらこの戦いは終わらないんじゃ…ってゾワゾワしちゃいました。猛者が寄ってたかって全力で行って、次々に吹き飛ばされている映像は、すこし滑稽に見えちゃうほどに;;

十本刀の扱われ方が雑(時間の関係かしら?)なのが気になりましたが、満足のいく3部作だったと思います。わたしはね。またふと健—剣心様に会いたくなったら、レンタルします。