わたしは雨女。
…いや、わたしが雨を降らせるのではないが、イベント等に参加すると、なぜか雨に降られる確率がぐんと上がるのだ。天気予報で“晴れ”“降水確率0%”と謳われても、折りたたみ傘は必需品。
わたしは雨女。
しかもただの雨ではない。イベント等に参加中に振り出す雨は、雷雨、豪雨、暴風雨、ときに雹。3年前は、家族旅行に参加表明をしたタイミングで台風が発生し、2年前に至っては、その時期には平均降ることのない雪が降り、一部道路が通行止めになった。
逆に、母は晴れ女。
母が雨を遠ざけるのではないが、イベント等に参加すると、天気予報で雨だといわれていても、その瞬間だけなぜか晴天になる確率がぐんと上がるのだ。
そのため、わたしと母が一緒にいると、一日で天気がコロコロ変わる、変な空模様になる。
去る3月17日。
山陰地方は、雨の予報だった(降水確率80%)。出発する前日、弟は言った。
「大丈夫やで、想定内やから」
長年わたしと関わっているうちに慣れてきたようだ。母は言った。
「お母さんがいるから大丈夫やって」
…そ、その自信は、神や仏になったふうな感覚からくるものなのか? …いや、違う。彼女は単なる天然素材であり、他意はない。勿論わたしの頭の中は、不安でいっぱいだった。朝、目覚めると、空は…