トム・クルーズが好きです。
(とはいえホラーやお化け・ゾンビ映画が苦手なので、『ザ・マミー』は観ていません)
今回は、映画の予告編で目にした“衝撃の実話”というフレーズとスリリングな飛行アクションシーンに興味が湧きまして、公開前から楽しみにしていました。そして、先日TOHOシネマズへ行ってきました。
率直な感想をいえば、なんだか胸の中に蟠りが残って取れないなぁ、という感覚です。彼がどこまで自分が担ったウラの仕事に対しての重責を感じているかは解らないですが、調べてみるとCIAにスカウトされる前からちょこちょこ何かしらワルをされているようですので、初めは刺激とお金を求めていただけで、そこからどんどんスケールがでかくなってしまった…ということでしょうか。
それと、お互いに利害関係が一致しなかったら不要で、それは死を意味するかもしれないというリスクに対して、バリーは初めから解っていたんでしょうか、それともあんまり深く考えてなかったんでしょうか。何度かしょっ引かれてるんだから良いことではないのは明らかなんですけども。
ただ、ワクワクした瞬間も確かにあって。
重量制限ギリギリのブツを積んで、絶対に無理だろうという距離の滑走路を駆け抜けて飛び立った瞬間とか。運んでくれと依頼しているくせに飛行成功か否かで賭けをしている(シュールですね)依頼人を尻目に、見事に飛ばせてみせたバリーの腕前ったら。パイロットとしての資質は当時本当に群を抜いていたのでしょうね!
最終的には、アメリカをハメたというよりは、大きな陰謀の渦の中に巻き込まれたただの駒のような扱いで始末されてしまったんですが、華やいでいた期間は彼の人生のうち四分の一も満たなかったんじゃないかと思うと、遣り切れない気持ちです。
国家を手玉にとって、ハッピーエンドな話、という軽い気持ちでいた自分を恥じました。実話であるなら、観る前にある程度の情報を頭に入れるべきでしたね。世界に蔓延る深~い闇のなかのほんの一部を垣間見た、なんとも言えない後味を噛みしめながら帰路につきました。